扁平上皮癌とは?ことらの闘病記

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2024年2月5日19時頃、ことらが天国に旅立ちました。

ことらは13歳の猫で、元気で人懐っこい性格でした。しかし、2023年の夏頃から様子がおかしくなり始めました。

ある日、涎を垂らしていることに気付き、ネットで調べると病気の可能性があると知りました。すぐに病院へ連れて行きましたが、原因は分かりませんでした。その数日後、ことらが下痢をしました。ことらはこれまで一度も下痢をしたことがなかったので、すぐに再び病院へ。下痢の治療を受けて回復し、その後も定期的に病院で様子を見てもらうことにしました。

しかし、10月頃になると涎がひどくなり、口が閉じられなくなってしまいました。診断の結果、扁平上皮癌の可能性が高いと言われました。

上皮扁平癌とは

猫では特に口腔内(舌や歯茎、顎など)や鼻、耳、皮膚に発生しやすいです。紫外線の影響を受けやすい部分(鼻や耳などの白い毛の部分)にできることも多いです。

主な症状

  • よだれが増える(血が混じることも)
  • 口が閉じにくくなる、食べにくそうにする
  • 口臭が強くなる
  • 腫瘍が大きくなり、顔の形が変わることもある
  • 痛みで食欲が落ちる

原因とリスク要因

  • 紫外線の影響(特に屋外で過ごす時間が長い猫)
  • ウイルス感染(猫免疫不全ウイルスなど)
  • 慢性的な炎症や傷

治療法と選択肢

  1. 外科手術(腫瘍のある部分を切除)
    • 進行が早いため、早期発見なら手術が最も有効
    • しかし、口腔内の場合、顎の切除が必要になることも
  2. 放射線治療・抗がん剤治療
    • 猫では効果が限定的で、副作用の負担が大きい
  3. 痛みを抑える緩和ケア(痛み止めなど)
    • 延命ではなく、できるだけ快適に過ごさせることが目的

扁平上皮癌は進行が早く、発見が遅れると治療が難しくなる病気です。特に口腔内にできる場合は、食事ができなくなるため、生活の質(QOL)が大きく下がります。

早期発見のためには、口の中や顔の異変に気づいたらすぐに動物病院で診てもらうことが重要です!

選択を迫られた治療法

医師から提案された治療法は次の3つでした。

  1. 下顎の切除手術
    • 若い猫なら手術後も長生きできる可能性があるが、高齢のことらには負担が大きい。
  2. 抗がん剤治療
    • 1週間に1度の全身麻酔が必要で、効果の保証はない。
    • 13歳のことらには勧められない。
  3. 痛みを和らげる治療(痛み止めの投与)
    • 穏やかに過ごしながら見守る。
    • もうひとつの選択肢として、安楽死。

安楽死は考えられなかった。当時のことらはまだ元気だったからだ。また、手術によるリスクも大きかったため、僕は痛み止めを使いながら家で過ごさせることを選んだ。

進行する病気、それでも生きようとすることら

扁平上皮癌の進行は想像以上に早く、日に日に顎が腫れ、口が開いたままになった。ご飯も食べにくそうで、痛み止めが切れると辛そうにじっとしていた。でも、薬が効いている間はいつも通り遊んだり甘えたりしていた。

12月になると、口から食べることが難しくなった。お腹はすいているのに、食べられない…。このままでは命が危ないと考え、首にチューブを入れて流動食を与えることを決意した。

猫は賢い。ことらはすぐにチューブを受け入れ、ご飯の時間になると「ご飯を入れて」と定位置につくようになった。僕は「ずっと介護するから、生きてほしい」と思う一方で、痛みに耐えている姿を見て「安楽死のほうがよかったのか?」と悩むこともあった。それでも、病院嫌いなことらにとって、最後は家が一番いいと思っていた。

ことらの最期

2024年2月5日、この日は病院へ行く予定だった。しかし、ことらはもう起き上がることもできず、僕は「あと数時間かもしれない」と感じていた。名前を呼ぶと反応はするものの、限界が近いことがわかった。

19時頃、ことらは何度か頭をガクンと落とし、目を閉じた。名前を呼ぶと意識を取り戻したが、「もう頑張らなくていいよ、ゆっくり休んで」と呼びかけるのをやめた。そして、静かに息を引き取った。

後悔と感謝

この病気をもっと早く知っていれば、紫外線対策もできたのに…。ことらは窓辺で外を眺めるのが大好きで、紫外線をたくさん浴びていた。それが原因かもしれない。

超健康体だったのに、ごめんな。めちゃくちゃ賢くて、人が大好きだったことら。13年間、そばにいてくれてありがとう。

チューブからご飯入れてもらうの待つことら。

よだれが凄いので、自作の涎掛けしてます。5枚作成しました。

元気な頃のことら↓

猫を迎える前に知ってほしいこと

いつ自分の大切な猫が病気になるかわからない。病院嫌いな猫がほとんどだが、定期的な健康診断はとても大事だ。そして、猫の医療費は高額だ。それを踏まえて、しっかり準備をしてから迎えてほしい。

今でも「お金がかかるから」と捨てる人がいることに驚く。猫は家族だ。最後の瞬間まで、一緒にいてあげてほしいと心から思う。

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